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冬場の昼下がりの街の大通り、カップルや学生など人の往来が激しい中、長身の編み込みヘアーの男が恐持てのやくざや警官から、その特徴的な髪を靡かせながら逃げていた。
「待たんかい!糞ガキ!」
「待ちなさ~い!」
口々に発せられる言葉は、ドラマで犯人などを追うときなどに叫ぶ言葉と全く一緒であった。
「へっ、誰がむさ苦しい親父に待てって言われて待つかよ。待って欲しかったらミニスカポリスを引き連れて来やがれ。」
そんなことをぼやきながら男は大通りを縫うように駆けていた。
しかし、それを阻むかのように突然、路地裏から男の目の前にミニスカポリスが現れた。
「こらぁっ!そこの男止まりなさい。」
その図太い声は猛獣が出す呻きに似ていた。
(…前言撤回だ。
ミニスカポリスじゃ、俺待てないわ。だって目の前にいるのは……。)
そう心で思ったと同時に叫んだ。
「ぎゃあ~!誰かエクソシスト呼んできてくれ~。悪魔が降臨なさったぞ~!」
「誰が悪魔じゃ~!」
そう言うと、そのミニスカ悪魔はスペインの闘牛ばりの突進で男に向かっていった。
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