序章

7/25
前へ
/61ページ
次へ
「大変そうだな、守。」 不意に横から声がした。 そこにはガードレールの上を走る長身のニット帽の男がいた。 「おっ、圭吾じゃねぇか。って、お前どこ走ってんだ。普通に登場出来ねぇのか!」 「主人公足るもの普通に登場しては華がないだろ?それにガードレールくらい誰でも走れるだろ?」 軽口を叩きながらも悠々とガードレールの上を跳ぶように駆けていた。 「走れるかっ!てめぇは中国雑技団にでも入っとけ!つうか、誰が主人公だって?俺に決まってんだろ。」 「え~マジ~走れないの~。ガードレールが走れないの許されるのは脇役までだよね~。」 ギャル口調でおどけてみせた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加