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「大変そうだな、守。」
不意に横から声がした。
そこにはガードレールの上を走る長身のニット帽の男がいた。
「おっ、圭吾じゃねぇか。って、お前どこ走ってんだ。普通に登場出来ねぇのか!」
「主人公足るもの普通に登場しては華がないだろ?それにガードレールくらい誰でも走れるだろ?」
軽口を叩きながらも悠々とガードレールの上を跳ぶように駆けていた。
「走れるかっ!てめぇは中国雑技団にでも入っとけ!つうか、誰が主人公だって?俺に決まってんだろ。」
「え~マジ~走れないの~。ガードレールが走れないの許されるのは脇役までだよね~。」
ギャル口調でおどけてみせた。
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