29人が本棚に入れています
本棚に追加
雨は止むことを知らずに降り続いている。
「是非もなし・・か・・・」
相変わらず信長は何かを悟っているかのように
空を見つめる。
「面倒の掛かる家臣を持ったものですな、信長公よ」
その信長の隣に家康が座っている。
「・・・ふん」
「なーに、大丈夫ですよ。らしくないですね信長公」
「・・・家康っ」
刀を手に取り家康に突き付ける。
「言葉が過ぎるぞ、家康。何が目的だ?天下か?それとも私が憎いか?殺したいか?」
びくっと固まり、一旦呼吸を落ち着かせ
家康が口を開く。
「桶狭間の時も雨でした。あの時は雨のおかげで勝てたと言っても過言じゃない」
「何が言いたい?!」
「感付いていないとでも?信長公よ・・・」
「家康っ!!」
ぴりぴりとした空気に家康が煽り信長を挑発する。
「私は信長公を護衛する」
家康はこう言い放った。
最初のコメントを投稿しよう!