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『お前は女だ。 戦っている事自体が間違いだったんだ。 此処は俺が食い止める。 それに部下が死ぬのはもううんざりだ。』
爆音が段々と近づいていた。
衝撃が体に響く。
弾丸の雨によってボロボロになった壁も、もうもたないだろう。
『嫌だ!!! 僕はもう逃げない!!! 最後まで戦うんだ!!! 僕は...僕は蒼い空が見てみたいんだ!!!』
何時も見つめてきたのは今もまだ変わらないこの赤色の空だった。
隊長はその言葉を聞き終わった後、酷く辛そうな顔をした。
するといきなり隊長は僕の頭に手を置き、ゆっくりと撫で初めた。
『死んじまったらそれも叶わねぇだろ? だからお前はまだ生きるんだ。』
そう言いながら笑いかけてくれた。
そして手を放し、残りの弾丸を自身の銃へと装填した。
左には手榴弾が握られ、キッと顔つきを変え先ほどの優しさなど微塵も感じさせなかった。
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