運命の赤い糸

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「運命の赤い糸って信じる?」 投げ掛けられた問いに右手に持っていた携帯を落とした。 小首を傾げてあたしを見つめて笑うその顔が男のくせに可愛いと不覚にも思ってしまい無意識に顔を反らした。 「ねぇ、信じる?」 「別に、信じてないわけじゃないけど嘘臭いから微妙」 何それ、とケラケラ笑う彼を横目に落とした携帯を拾い上げる。 いきなり何聞くんだよ、と文句を言おうとしたら真剣な双眼と視線がぶつかった。 どくん、と高鳴る胸に五月蝿いと内心叱咤し目の前の彼を見据えた。 「俺は信じてるよ、運命の赤い糸」 「───それで?」 「きっと俺と紫音は運命の赤い糸で繋がってたんだよ」 いけしゃあしゃあとよくそんなことが言えるもんだと思った。 「どうせ今まで付き合ってきた子みんなに言ってるんでしょ」 「まさか。初めて言ったよ」 「どうだか」 嗚呼なんて可愛くない言葉しか出てこないんだろう。普通に素直に喜べばいいのに敢えて喜ばない自分が嫌になる。 こんなにも嬉しいのに。 「ねぇ紫音、好きだよ」 「あたしも好きだよ、麓」 そう言ってはにかむ彼に抱きつきたくなった。 本当にあたしだけに言ってくれたの?とゆう不安が募りに募る。 いつも不安にさせられる。 好きだよ、とゆう言葉は本当なの? 君のその真剣な瞳、信じていいの? 2010/01/15
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