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「………は、?」
やっと声を絞りだして出てきたのはそれだけだった。この男は今なんと言った?"仲直りしよう"…?
そんなこと出来る筈が無い。何故ならフランシスはフェリシアーノと同盟を結んでいてローデリヒとは敵なのだから。第一ローデリヒと手を組むという事はフェリシアーノを裏切るということになる。
「…正気、ですか…貴方。」
「失礼な奴だなー、正気だっての。」
「私と…同盟を結ぶということがどういう事か、分かりますか?」
「分かってるよ?」
「…フェリシアーノはどうするのですか。」
「さあ?」
1人で何とかできるだろ、と言ってフランシスは興味無さそうに言い捨てた。何という男だろう。先程まであんな事をしていた相手をそう簡単に捨てれるものだろうか。ローデリヒが呆然としていると、それより、とフランシスの言葉は続き首に腕が回される。
「ローデリヒ、俺とイイコト…シない?」
そういって微笑んだフランシスは妖艶しく、甘い毒の様だった。もし彼が毒だったら私は既に侵されてしまっているだろう。こんな状況でも彼の言葉に喜んでしまっているのだから。
「…貴方は…フェリシアーノと…恋人同士、ではないのですか?」
理性をなんとか保ち、一番気になる質問を投げ掛けた。
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