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あいつの隣にはいつも誰かがいた。それはフランスの弟分みたいなジョーンズだとか、その兄であるカークランドだとか、俺と共通の悪友であるアントーニョだとか、昔から啀み合っているはずのローデリヒの坊っちゃんとかだ。あいつの隣には色んな奴がいた。
「──で、いつになったら俺の意見に賛成してくれるんだい?フランシス!」
「お前がその三食ハンバーガーを止めたら考えてやるよ。」
「フランシスー、お前いつになったら俺と結婚してくれるん?」
「んー、俺んちが同性同士の結婚認めたらね。」
「よっしゃ、ちょお俺提案してくr」
「そうはさせませんよ、お馬鹿さん。」
「まったくだ、そんなの許すわけねーだろばかぁ」
「DDDDー、冗談が上手いんだなー、カリエドは!第一そんなの俺が認めないんだぞ!」
フランシスの周りの奴らが、アイツを囲んで楽しそうに話していたから、少しの間あいつの隣に居ることを許したが、結婚がどうの、とかの話で我慢の限界がきた。恋人と恋敵がそういう話をしていたら誰でも止めに入んだろ?
「おい、フランシス」
フランシスが俺に気付き、蜂蜜色の髪を揺らしながら俺の目の前までやってきた。フランシスを取られたことが気に食わないのか、一点から一斉に睨まれる。
「なんだよ、ギルベルト」
呼ばれたことに少し怪訝な顔をし、黙ったままの俺に対し、首を傾げるフランシス。
「いや、…その……」
呼んだのはいいが何て言えばいいんだ?「俺以外のヤツと喋るな」?いやいや、フランシスは束縛されんのが嫌いだ。かといって縛らねぇわけにはいかねぇし。「俺の隣にいろ」?…これだ!
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