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もしかして俺の為に空けてたの?って聞いたら、
「?そうやけど?」
「それ以外に何があんだよ」
ってさも当たり前な顔で返された。何なのお前ら、ちょっとドキッとしちゃったでしょーが!
取り敢えず、弁当を持って2人の真ん中に座る。3人で座るってのもむさくない?っていうか嬉しいけど、恥ずかしい…!
話をしながらそれぞれ弁当を食べ始める。うん、お兄さん今日も味も見た目も完璧。
「うは、今日は一段と旨そうやなぁ!」
「そりゃ、俺ですから。食べる?」
「ええの?ほんなら、俺にあーんしたって!」
「え、俺の食べ掛けだけどいいの?」
「それがええの!」
「じゃあ…あーん」
「あー…ん…、…美味っ!やっぱフランの手料理最高やわー」
アントーニョが口の端にソースを付けながら、嬉しそうに笑った。
あーん、なんて何年振りだろう。まあ、アントーニョが喜んでるからこの際気にしないでおこうかな。
「ふふ、メルシー!…それとアントーニョ、口にソース付いてるよ」
「え、どこ!?とったってー?」
「ほらここ、」
「ん、おおきに!なんやフランもついとるで!とったるわ」
「え、本当?…ん、っ!」
不意にアントーニョの顔が近づいたと思ったら、ぺろっと唇を舐められ、ちゅ、と軽く口付けられた。
ごちそーさん、とアントーニョがにやりと笑った。
アントーニョにキスされた…!かぁあ、と顔が赤くなるのがわかる。
「あ、アント」
「なな、な…何してんだてめぇえ!!」
俺の声を遮り、ギルベルトが突然叫びだした。というか怒っている。
「あ、ギルベルトおったん?」
「ずっといただろうが!っつうか何フランシスにキスしてんだてめぇは!」
「あはは、そうかっかせんと、自分ができんからて。それにフランシスが可愛すぎんのがあかんねん。」
「確かに可愛いよな、じゃなくて!なめんじゃねぇぞ!俺だってなやるときはやんだよ!」
「ちょ、なんか…意味分かんないんだけど!それに俺可愛くないし!」
「「十分可愛いぜ(で)?」」
アントーニョ(ちょっと黒い)とギルベルトの言い合いを聞いていると、何だか2人が俺のことを好きだと言ってるように聞こえる。恥ずかしいんですけど!
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