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プシュー・・・ ガタン
「・・・っは!」
どこかへ向かう電車の扉がしまる音で、私は目を覚ました。
どれくらい寝てたんだろ・・・?
でも、立ったまま寝られた・・・。
私、すごいかもー。
ガタン・・・ガタンガタン
目の前の電車が発車した。
長い車体が、目の前を通り過ぎていく。
・・・これって、私が待ってた香蘭行きの電車なんじゃ・・・。
嘘ー・・・。
行ってしまった電車の後ろを覗いて、小さくため息を吐いた。
「次の電車は、10分後かぁ」
時刻表を見ると、そう書かれていた。
そんなに時間の間隔が開いていなかったので、胸を撫で下ろす。
「・・・ダメだなぁ・・・、私って」
電車が通り過ぎた時の風でなびいたセミロングの自分の髪を耳にかけた。
この出来事の一部始終を見ていた人がいたとは、思いもしなかった。
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