*第1章*

2/27
前へ
/542ページ
次へ
プシュー・・・ 10分後に来た電車に、今度こそきちんと乗り込んだ。 人はまばらで、席はたくさん空いていた。 入り口に近い席に座り、息をついた。 プシュー・・・  ガタン 扉が閉まって、電車が走り出した。 ちょうどいい具合に、太陽の光が私に当たる。 気持ちいい・・・。 またあくびが出た。 再び強い眠気に襲われる。 ここからは香蘭まで遠くないから、寝ちゃえば確実に通り越しちゃうよ・・・。 あー、でも無理。 私、なんでこの席座ったんだろ・・・。 「ねぇ!あの人格好良くな  い?」 「わっ!本当だっ!  格好良い~!  あの制服、香蘭じゃない?」 「そうだね!  やっぱ噂通りというか、香蘭  って」 「だよねぇー」 隣でつり革を持って立っていた他校の制服を着た女の子達が騒いでいる。 私意外に、誰か香蘭の生徒が乗ってるの? ・・・気になるけど、目が潰れてて見えないー; 再び、眠気に負けて眠りに落ちた。 だけど、なんていうか。 深い眠りではなくて。 まだ、さっきの女の子達の声が遠くに聞こえてるというか。 これって、眠ってはないのかな。 ガタン   ガタン・・・ ほら、電車が走る音も小さいけど聞こえてる。  
/542ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1250人が本棚に入れています
本棚に追加