*第3章*

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「自分が正しい、正義だと信じ  てる。  そんな自分に酔ってる、偽善  者よ」 「偽善・・・者・・・?」 「行くわよ」 エリカが手で合図をすると、その後ろを手下達が着いて行く。 制裁をくだそうとしていた先輩が、ちらりと私を見た。 ・・・偽善者。 「しぃっ!  まぁーた止めに入ったの?  しぃは手を怪我しちゃったら  終わりなんだよ?」 美凪が息を切らしながら、走り寄って来た。 その後ろから、桜庭君が来る。 「・・・あは・・・。  だって、美凪に言うと、とめ  るでしょ?  私のこと」 「当たり前でしょっ?!  もう夏休みも近付いてきて、  大会も近いんだからね?」 「だから言わないー」 「もうっ」 美凪が頬を膨らませた。 「ぶぅー」 その頬を桜庭君が両手で包んで、空気をはき出させた。 美凪が恥ずかしそうな顔しながら、桜庭君に講義する。 それに対して、桜庭君は満足そうだった。 「栞ちゃん!!!!」 今度、私の名前を呼んで走り寄ってきたのは。 「窓から見えたわ。  またエリカ達がやったのね」 漆黒の長いストレートの髪の毛を揺らす、常盤先輩だった。  
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