*第3章*

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そして、生徒会のみんなが校門を出ると、私達も帰る。 「じゃあー、ばいばい!しぃ」 「じゃあなぁー、春日」 「うん。  ばいばい、美凪、桜庭君」 2人並んで手を振る2人に、私は手を振った。 * 「なぁ、美凪?」 「なぁに?」 「なんで、結城先輩が好きなん  だ?」 「・・・あたしの勝手でしょっ」 顔を赤らめる美凪。 恋をする乙女の表情に、千尋は胸を高鳴らせかけるが、それ以上に胸が締め付けられて痛かった。 「顔?性格?  どこがいいんだ?」 「どこ、っていうか。  そういうんじゃなくって。  よく分からないけど、・・・。  ・・・す・・・きなのっ!!!!  もう、いいでしょ??  そっとしといて、この話は」 「・・・嫌だ」 いつも美凪に言いなりの千尋が、珍しく反発したので、美凪は少々驚いた。 隣を歩く千尋を見上げると、千尋は何とも言えないような、複雑な顔をして、真っ直ぐ前を向いて歩いていた。 「・・・なんで嫌なのよ?」 そんな千尋に、美凪は調子が狂う。 いつものヘタレな千尋なら、そうはならないのに。 「美凪が結城先輩のどこが好き  なのか教えてくれれば、俺は  頑張って美凪の理想になる  よ。  だから、俺を無視しないで」 「?  どういう意味?」 「・・・結城先輩じゃなくて、俺  じゃあ、ダメか?」 いきなり横を向いて、千尋は美凪を見つめた。 美凪は、改めて千尋が男なんだと確信をした。  
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