*第3章*

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「あっ、あんたねぇっ!  あたしが潤先輩を好きってい  う弱みを握ってるからって、  からかわないでよ?!」 「本気だよ、俺」 「あー、あー!あーー!!  うるさーーーーーいっ!!!!  そんなの、信じないから  っ!」 「・・・そう」 一気に千尋の声のトーンがダウンしたのが、美凪には分かった。 だって、信じられない。 ずっと、友達として接してきた千尋が、自分にそんな気持ちを抱くことはありえないのだ。 横目で千尋の表情を確認する。 そんな美凪に気付いて、千尋は美凪に悟られないように、悲しい顔を押し隠して、いつものへらっとした表情を浮かべた。 「バレた??  冗談だよ、じょうだーん。  いや、でも、この嘘で美凪を   落とせたらラッキーかな、と  は思ってたけど、なんて」 後頭部をカリカリとかきながら、千尋は体をくるっと1回転させて美凪の前に回りこんだ。 美凪は目を見開いて、おどけた表情をする千尋を見つめた。 「嘘?」 「うそだってば。  あれ?実は、本気にして  た?」 パンッ!!!!!!!! 「最低」 乾いた音が、誰もいない通りに響いて、残酷なほど冷たい美凪の声が、千尋の胸を切り裂いた。 美凪はキっと千尋を強く睨んで、固まる千尋を置いて、さっさと行ってしまった。 「・・・じゃあ、ちょっとは俺を  男として見ろ、馬鹿美凪」 千尋は、誰もいなくなった通りで、平手打ちされた左頬を押さえながら、ぽつりと呟いた。 *  
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