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フロントのお姉さんに、「開けて下さい」って、言う?
でも、「見た目通りの馬鹿だ」みたいに思われたくないしー・・・;
どうしよう。
このままじゃ、ひなたが。
・・・ひなた?
「!」
中には、ひなたがいるんだ!
インターホンを押せば、ひなたが開けてくれるかもっ!
だけど。
恥ずいなぁ。
少しインターホンを押すのをためらったが、押さなくては仕方がないので、しぶしぶ押した。
ピーンポーン・・・。
中でインターホンが鳴ったのが聞こえた。
ひなた、寝ちゃってるかなぁ。
「・・・クスクス。
・・・誰ですか?」
立ったまま、いろんな事を考えていると、ドアの内側からひなたの声が聞こえた。
しかも、笑ってる。
・・・絶対、私の事を馬鹿にしてる!
覗き穴から、見てるんだっ!!
「ひなた!開けて下さい!
鍵、忘れていってしまったん
です」
・・・
・・・ガチャ。
なぜか少し間があいてから、ドアがゆっくりと開いた。
「・・・おかえり、しぃ」
そこには、いつもの柔らかい、心地いい笑みを浮かべるひなたがいた。
落ち着くなぁ、やっぱり。
この笑顔を見ると。
ひなたの笑顔を見て、口元が緩んでしまう。
玄関に入って、背後でドアがしまり鍵も自動で閉まった。
「・・・ドジだね」
「今朝は急いでたんですよ」
「・・・おもしろいね」
ふわふわと、軽い足取りでリビングへと向かう。
もう夏も近く、かなり気温が高いというのに、リビングはクーラーがかけられていなかった。
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