*第4章*

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「・・・さぁ、しぃ。  全てあたしに話してもらうわ  よー」 「・・・話すというか・・・」 トイレに到着して。 やっぱり予感は的中した。 美凪の尋問が始まった。 ドス黒いオーラが、すごすぎる。 「・・・最近、私に妖精が現れた  の」 「・・・それって、男子の事?」 「そこは美凪に任せるね。  ・・・でね、その妖精は私の心  の疲れを取ってくれるという  か。  一緒にいると、リラックスで  きるの」 「ふんふん」 「・・・だけどね、雨の日には、  その妖精は現れないの。  太陽が好きだから」 「・・・う、うん?   太陽の妖精なの?」 「うん」 真剣に妖精について話す私達を、生徒達が怪しげな表情で眺めながら横を通り過ぎていく。 だけど、私と美凪には関係の無い事だった。 「・・・ただ、それだけだよ」 瞳を細めて、美凪を見た。 美凪は、何かを考えるようなポーズをとって「うーん」と唸った。 「しぃは、よっぽどその妖精が  好きなんだね」 「好き?」 「うん。  その妖精が、何を意味してる  のかは、あたしにはイマイチ  分かんないけどさ。  女子を意味してるなら、親友  並みだし、男子なら完璧に恋  の対象になってるよね?  それって」 「・・・恋?」 会いたい、って思うのが恋? ひなたに。 私が? 「その反応は、やっぱり男子だ  ったわけね。  で、ドキドキとか、無いの?  あの、恋どくとくのやつ」 「何?それ・・・?  恋特有のドキドキ・・・?」 不思議そうに聞く私に、美凪が顔を驚きで歪めた。 哀れむような顔で、私を見つめてくる。 「・・・もしかして、男子を好き  になった経験が無いと  か・・・?」 「無いよ?  え?おかしい、かなぁ?」 美凪は自分に、「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせながら、深呼吸を何度かした。 そして、私に再び向き直った。  
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