*第4章*

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* 美凪に会える。 その喜びで胸をいっぱいにして、千尋は家庭科室へと急いだ。 美凪のそばでいられるだけで、自分は幸せだ、と思うのに、どうしてかいたたまれない思いでいっぱいだった。 どうして、結城先輩が好きなんだろう。 「・・・」 頭をぶんぶんと振って、美凪と潤がいちゃいちゃする場面を吹き飛ばした。 考えるな。 考えたくないし! 走る足を速めた時だった。 ドカ! 「ぶっ!!」 「うわっ?!」 角を曲がってきた誰かに、思い切りぶつかってしまった。 「すみませんー」 いらいらする気持ちを抑えて、顔を上げると、 「あ、千尋君だっけ。  奇遇だねぇ」 「・・・結城先輩」 今、1番会いたくない人物の姿があった。 「なんで走ってるの?  まだ、昼休みはたくさんある  のに・・・」 「用事があるんです」 「あ・・・そ、そう?」 千尋の怒りがかいま見えたのか、潤はへらりと笑った。 悔しいけど、そんな笑顔も爽やかだ、と千尋は眉間にしわを寄せた。 「・・・いきなりなんですけど  ー。  結城先輩は、美凪ってどう思  います?」 「美凪ちゃん?」 なんだいきなり、とでも言いたそうに、きょとんとしている。 だけど、千尋としてはこの質問は譲れなかった。 「いい子だと思うけど」 『いい子』。 これは、恋愛対象に入っている言い方なんだろうか? 「そうですか?  じゃあ、ついでに春日は?」 美凪の事だけ聞くと怪しいかと思い、一応 栞の事も聞く事にした。  
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