「イチ」から始まる物語。

なりたくてなった訳じゃない

　
しかしながら人間というものは凄い。状況適応能力というのか、よくわからないけれど、今となっては見慣れすぎて目腐れしている。

下着や胸等を見ても何とも思わないし、触れたって平気だ。因みに自分から触れている訳では無く不慮の事故だから勘違いしないで欲しい。後解ると思うから説明は省いておく。

鞄を取り自宅を出ると、朝の新鮮な空気を肺に取り入れる。快晴の空に澄んだ空気は、ほんの少し残っていた眠気を飛ばすにはちょうど良かった。

僕の通う私立恋鳥ヶ丘女学院は、自宅から徒歩10分程度の場所にある。徒歩で行ける距離にある学校は一応有り難い。一応。大事なことなので２回言いました。

そんな見慣れた通学路を歩いていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。