痛みを癒すその日まで

2/6
前へ
/16ページ
次へ
悠ちゃんが泣いた。 いや……泣いていた。 「スー……スー…」 今は俺の膝を枕代わりにしながら規則正しい寝息をたてている。 泣き疲れたのだろう。 目元にはうっすらと涙の跡が残っている。 「なぁ……なんで泣いた?」 返ってくるはずのない質問を投げ掛けながら、悠ちゃんの髪を指に絡ませる。 長いまつげ。 黒くて絡むことのないサラサラのショートヘア。 白い肌。 綺麗な唇。 そして今は瞼で隠されているが…大きな瞳。 悠ちゃんは童顔だ。 身長も小さく、街中で女の子と間違われてはみんなで腹を抱えて笑った。 .
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加