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悠ちゃんが泣いた。
いや……泣いていた。
「スー……スー…」
今は俺の膝を枕代わりにしながら規則正しい寝息をたてている。
泣き疲れたのだろう。
目元にはうっすらと涙の跡が残っている。
「なぁ……なんで泣いた?」
返ってくるはずのない質問を投げ掛けながら、悠ちゃんの髪を指に絡ませる。
長いまつげ。
黒くて絡むことのないサラサラのショートヘア。
白い肌。
綺麗な唇。
そして今は瞼で隠されているが…大きな瞳。
悠ちゃんは童顔だ。
身長も小さく、街中で女の子と間違われてはみんなで腹を抱えて笑った。
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