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その姿に……俺は惚れたんだ。
凛々しくて、何事にも揺るがないそのまっすぐな瞳に。
いつしか同じくらいだった身長も俺の方が10cm近く高くなった。
今度からは俺が…俺が悠ちゃんを守るんだ。
誰にも傷つけさせない。
泣かせない。
なのに……
なんで君は…涙を流すのですか……?
「………京…?」
いつから起きていたのだろう。
悠ちゃんが不思議そうに俺を見上げていた。
だけどその顔はすぐに真っ赤に染まって
「……?」
「あっ、その……ごめん!僕勝手に泣いちゃって。もう大丈夫だから…っ」
中2の頃から悠ちゃんは無理して笑うようになった。
ほら今も。
俺に心配をかけさせまいと何かを隠している。
「…ざ、けんなっ!」
それが悲しくて、辛くて…俺は悠ちゃんの肩に掴み掛かっていた。
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