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ザァァア…
春と呼ぶにはまだ肌寒い風が満開の桜の花びらを多く宙に舞わせた。
高校の入学式も早々に終えた俺は中学からの友達の誘いを断り、学校内の探検に来ていた。
そして今。
俺は中庭の大きな桜の元でそこにたたずむ一人の男を見ていた。
何故立ち止まったのかはわからない。
ただ単にこの桜の木が気になったのか、はたまたその男の放つ雰囲気に惹かれたのかもわからない。
そいつは、男と呼ぶにはあまりに綺麗で……正直見惚れた。
あまりにも桜を見つめるそいつの姿が絵になって儚かったから。
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