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「大丈夫ですか?」
そこにはやはり先ほどの男が手を差し延べていた。
……デカい…
近くで見るとそいつは身長180cmを勇に越えていた。
「あ…ありがとう…」
――トクン…
そいつの手を取った瞬間俺の胸が波打った。
なんだろう。何なんだろう……これは。
緊張……しているのだろうか。
何故?
「…………伊沙也」
「へ……?」
「月城伊沙也。…俺の名前です。」
月城伊沙也(ツキシロイザヤ)。
そいつは確かにそう名乗った。
「あ!お…俺は陽向彰です。」
陽向彰(ヒナタアキラ)。
大丈夫ちゃんと言えた。
声は裏返っていなかっただろうか?
何故かそんなことを気にしてしまう。
何故…?
「彰くんですか。よろしくお願いしますね。」
そう言って奴はニコリと微笑んだ。
――トクン…
あぁ……まただ。
これは……この波打つものは…。
「こちらこそよろしくお願いします。」
この気持ちは何と呼ぶのだろう……。
完
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