痛みが消えるその日まで

2/6
前へ
/16ページ
次へ
「1年A組!また一年間よろしくなっ」 「京………僕はまた暑苦しい一年を過ごすのかと思うと気が重いよ」 ガバッと肩を組んできた幼なじみ、神谷京平(カミヤキョウヘイ)にゲンナリとした表情を見せながら呟く。 僕は高野悠(タカノハルカ)。この春から男子高の一年として入学した。 「えー…悠ちゃん冷たいー」 と京はわざとらしい声を出しながらケラケラと笑う。 「あ。俺もA組だ」 「まじでっ?!やったーっ!」 一緒に来ていた彰も同じクラスなのを確認すると僕からすぐさま離れて、今度は彰に抱き付いた。 「おわっ?!ちょ…京平っ、苦しいってば!」 「いいじゃん、いいじゃん♪」 ジタバタと暴れながらも彰は楽しそうだ。 京は昔からスキンシップが好きだと思う。 「っ…………僕…ちょっとトイレ行ってくるから、京と彰は先に教室行っててくれる?」 「ん?おぅ、わかった!」 .
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加