天に舞う花びら

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「我の日輪は姿を消したか…」 月明かりの下、「今宵は祝いだ」と元親に城の外に呼び出され、まだ弥生の暦で外気が冷たく肌寒い中に酒の相手をさせられて不機嫌な元就が月を見上げていた。 「また明日になれば日は昇るんだから、今宵は月がきれいだろ?」 「月は嫌いだ!」 「そうなのか?」 「…どこか儚く冷たく感じるわ」 「お前の好きな日輪に比べればな…」 「フン、当然であろう」
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