ごめんなさい。

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うわっ、あわわわっ。 どーしよう?どうしよっ! え?今迎えに来るって言ったよね? 「りこちゃん?どした?」 慌てふためくあたしを、不思議そうに覗き込む。 「いやっ、あのーですね・・・ やっぱり、ちょっと。 あ、はっは、吐きそうで・・・ うえっ、ゔっええっ。 だから・・・吐いてすっきりしたらタクシーで帰りますからっ! ほら、タクシーも来ちゃったし!」 吐きそうな真似をしてたら、本気で吐きそうになったけど。 グッとこらえて。 呼んでいたタクシーがこのタイミングで来てくれたことに感謝した。 「いやいや、でも。そんなりこちゃん1人に出来ないし、いいよ、待ってて貰おう?」 なーにーっ!? それは困るっ!すんごい困るっ! 「あのあのあのー、さっきの電話っ!!あれ、兄なんですっ、すんごいシスコンで・・・今迎えに来てくれるって、でもほら。北川先生と一緒のとこ見られちゃったら、あたし兄に怒られちゃうしっ!!!!」 自分に拍手喝采。 さっきまでの酔っぱらいの延長の頭でよくぞ、思いついたいい訳。 「あーそうだったの?残念だなぁ・・・・じゃあ、りこちゃんとお付き合いするにはまずはお兄ちゃんの壁が待ってんのね?笑 これ。連絡して? また会いたいからっ。」 あたしに1枚の紙をくれて、 タクシーに乗り込む姿はあっと言うまに夜の街に消えた。 広げてみれば電話番号にアドレス、名前。 紙の右下には製薬会社の名前が入っていた。 あー、こんなところは医療従事者あるある?なのかな。 こんなメモ、先生も持ってたような気がする。 。
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