6176人が本棚に入れています
本棚に追加
ファンっと響いた短い音がして、顔をあげれば見覚えのある車。
あたしは急いでメモをポケットにつっこんだ。
ガコっという鈍い音とともに、先生が車から降りてくる。
「りこちゃん、大丈夫?」
すたすたと駆け寄ってすぐにあたしの体に触れた。
「あ、大丈夫ですっ。ちょっと飲みすぎちゃって;ははっ」
「こんなに体冷えてる、中で待ってても良かったのに。
あれ?友達は?」
自分の上着をあたしに着せて、肩を抱えられるようにして車に乗り込む。
「え?あ、あの。そのっ・・・」
・・・・・想定外。
何の言い訳も考えていない。
まさか酔っ払いのあたしを置いて帰っただなんて、
そんな酷い嘘はつけないし・・
頭をフル回転させても何も思い浮かばなかった。
「大丈夫なの?大丈夫ならいいんだけど。」
「あ、はいっ。大丈夫です!」
助かった・・・・
深く突っ込まれなくて。
あたしはホっと胸をなでおろした。
。
最初のコメントを投稿しよう!