ごめんなさい。

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ファンっと響いた短い音がして、顔をあげれば見覚えのある車。 あたしは急いでメモをポケットにつっこんだ。 ガコっという鈍い音とともに、先生が車から降りてくる。 「りこちゃん、大丈夫?」 すたすたと駆け寄ってすぐにあたしの体に触れた。 「あ、大丈夫ですっ。ちょっと飲みすぎちゃって;ははっ」 「こんなに体冷えてる、中で待ってても良かったのに。 あれ?友達は?」 自分の上着をあたしに着せて、肩を抱えられるようにして車に乗り込む。 「え?あ、あの。そのっ・・・」 ・・・・・想定外。 何の言い訳も考えていない。 まさか酔っ払いのあたしを置いて帰っただなんて、 そんな酷い嘘はつけないし・・ 頭をフル回転させても何も思い浮かばなかった。 「大丈夫なの?大丈夫ならいいんだけど。」 「あ、はいっ。大丈夫です!」 助かった・・・・ 深く突っ込まれなくて。 あたしはホっと胸をなでおろした。 。
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