6176人が本棚に入れています
本棚に追加
「2人じゃあないよね。他にお友達もいた?男の人も?」
ななな、なんでっ!?
なんで知ってるの!?
「い、いないですっ!!!!!」
気付けば先生のマンションの駐車場に到着していて。
先生は運転を終えて、ハンドルにもたれかかるようにしてこっちをみている。
「・・・そう。じゃあっ」
と言って、急にあたしの目の前まで顔を寄せてきて。
キスされる!と咄嗟に目をつむったけど、期待通りにはいかなかったみたいで。
そーっと目を開いた。
「・・・・・これは誰のにおい?」
・・・・・・・・・。
一瞬頭がフリーズした。
「あは、あははっ。誰、ですかねー?ほら居酒屋だし!後ろに座ってた人とかっ!?じゃないですかー?タバコ吸ってた人もいたし、あたし臭いですよね?」
あはははは、もう渇いた笑いしか出てこない。
「ふーん、じゃありこちゃんは。後ろの人とそんなに体寄せ合ったの?それじゃなきゃ、こんな香水の匂いなんて移らないから。」
もうだめだ・・・完全にアウト。もう誤魔化せる自信がナイ。
「ち・・・・違いますっ、そんな。」
「じゃあ、りこちゃん。
正直に話そっか?
りこちゃんは誰とごはん食べてたの?」
あたしの髪の毛をすくって、遊びながら。
返事をゆっくりと待っている。
「あの・・・そのっ・・・;」
「・・・・・答えられない?」
言えないよ。言えない!
このまま見逃してはくれないよね?
もう、なんであたし合コンなんてっ!って後悔したって後の祭り。
現実はすぐそこまできている。
。
最初のコメントを投稿しよう!