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「骨、やったんだって~?」
笑いながら話す様は
他人事。
「あ、付き添い?ここは僕に任せてくれていいよ。
君は体育大会、楽しんでおいで?」
錦戸先生はまどかに微笑んだ。
「それじゃあ、お願いしますっ」
「まどか、ありがとね、」
「ううん、じゃあまたあとでね?」
失礼しますっ、と彼女は診察室をあとにした。
「階段から落ちたんだって?池田先生から聞いたよ?笑、 ったく、どんくさいなぁ?笑」
「し、失礼です!荷物たくさん持ってたから…」
あたしは言い訳をした。
だって、なーんか
ムカついたんだもん。
「そかそか、笑。それじゃあちょっと見せて貰おうかな?」
そう言ったかと思えば、あたしの体は、ふわりっと宙に浮く、
「あ、いやっ!大丈夫ですよっ」
「ん?大丈夫じゃないと思うよ?笑」
あたしを診察台に静かにおろすと、足を触診する。
「イたっ、いたいっ!」
「…ココ?」
あたしは激痛のあまりに
言葉が出ずに、こくこくと頷いた。
。
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