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「…ううう潤美さん!
お、俺………」
潤美を呼び出した男は、モジモジしながらうつ向いている。
この状態から、何分たったんだろ…
もう、早く言ってよぉ。
このままじゃこっちが心臓もたない…っ
私は男の子が近くにいる事自体苦手なのに!
チラッとその子を見ると時々目が合う。
はぁ…
私は周りから見れば冷静を装ってるように見えるんだろうけど、
ただ余裕がなくて固まってるだけなのに…
変なレッテルをはられちゃったな。
「あ、あの!」
男の子が一歩前に出て、潤美に少し近付いた。
「………っ!?」
も、もうだめ…っ
「私、行くから…」
「え!?
ちょっと、まだ話終わってない…!」
私は耐えきれずくるりと向きを変えて、足早にその場から逃げた。
どくどくどく
後ろで男の子がまだ叫んでいたが、今の潤美には聞こえていなかった。
も、もう少しで心臓が破裂するんじゃないかと思ったぁ…
学校なんかいっぱい人がいるんだもん。
慣れなきゃいけないとは思ってはいるんだけど…
でも、昔から…
人と目も合わせれない。
話すなんて到底無理な私にはかなりの試練だった。
一応友達や恋人っていうのには、憧れてるんだけどな…
頼れる人とか家族以外、今まで出来た事ないし…
だから誰も私の本性は知らない。
これからもそれは変わらなくて…
本当の私は、私だけの秘密。
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