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またこの日がやって来た… 月が満ちる夜、毎月私は何もない部屋に閉じ込められる。 物心着いた時からずっとだ。 理由は誰も教えてくれない。 でも、私の髪や目の色が満月の夜にだけ変わるのと、何か関係があるのだろう…。 そう。普段私の髪は淡い栗色で目は紫。 栗色の髪と紫の目は王族の証。 私はこの国の姫という立場にいる。 その姫である私が満月の夜にだけ髪が金色に、目が真っ赤に染まることをみんなに知られる訳にはいかない…。 だから、仕方がない。 ずっと自分に言いきかせてきた。 でも、ほんとはそんな秘密があったんだね。
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