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「はぁ・・」
あたしは深くため息をついて鏡を見た。
結局マネージャーやることになっちゃったし
もー・・・
「・・・お母さんいないのになぁ」
無意識に呟いた言葉。
あたしは鏡に勢いよく水をかけてトイレを出た。
「おい」
・・・あたし?
少しドスの聞いた声に振り向くと藍江くんがいる。
「何ですか?」
「お前、理事長の姪なんだってな」
「・・・お前じゃなくて新菜優妃です」
何なんだろう、この人。
まぁ、好かれてないっていうか嫌われてるのは分かるけど・・・
「コネだかなんだか知らねぇが、俺らに近づくな」
「は?」
「マネージャーの話断れよ」
藍江くんはそう言いながら一歩一歩あたしに近づいてくる。
ゾクッとするような冷たい目に感じる殺気。
あたしは藍江くんが近づいてく度に後ろへと下がった。
「い、嫌ですっ」
怖い
怖い・・けど、負けてられない
背中が壁についたと同時に発した言葉は震えて情けなくて。
悔しくなった。
「・・っざけんな」
―ドンッ
藍江くんがあたしの顔の横に殴るようにして手を置いた。
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