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「・・・2ヶ月ほど前、優妃の両親は亡くなったんだ。優妃の目の前で」
「!!」
「ひどい交通事故だったらしい二人とも即死だった」
突然の両親の死・・
「優妃は両親が死んでから口を閉ざして、どんどん弱っていった・・・見てられなかったよ、本当に」
俺らは理事長の話に耳を傾けていた。
誰も何も言わない。
・・・いや、何も言えないんだ
「優妃の母親はね、マネージャーをやっていたんだ。仕事が良くできる人だった。父親はカメラマン、結構名の知れた人だったんだ」
理事長はふぅとため息をついて黙り込む俺らを見る。
「勝手な話かもしれないが、優妃を頼む」
きっと、想像できないほどの苦しみがあっただろう
それでも彼女は笑っていた
・・・そんな話聞いたらたらほっとけないだろ
「はい、理事長」
俺の返事に理事長は安心したように微笑んだ。
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