<次の任務は…>

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コン コン コン コン 少女は本部長室の扉を軽くノックする。 「【血まみれのアリス】だ。邪魔する。」 ガチャ おそらく中にいるであろう本部長の返事を待たずに中にズカスガと入っていく 少女が入って行った部屋の中は無駄な位豪華で床にはふわふわの絨毯。 シャンデリアなどもある。 部屋の奥の豪華な机の上には紙の塔が何本かたっており、そこから男がでてきた。 「お帰り。アリス」 20才位だろうか。 銀色の髪をした、整った顔立ちの男性がにこやかにでむかえる。 アリスと呼ばれた少女はローブを脱ぎ捨てる。 長く腰まであるような金色の髪と美しい青色の瞳が現れる。 まるで人形のように華奢な体つきをしており、顔は小さく、人形がそのまま動いているような感じであった。 だが、アリスの顔は不機嫌そうだ。 「………ああ、戻った。」 そんなアリスの顔を見て男が不思議そうに問いかける。 「?どうしたんだい?依頼は簡単だったはずだろう?」 アリスはなお不機嫌そうに 「ええ、確かに依頼は簡単だった…しかしあれはどいいうこと?」 「?」 「あの依頼がQクラスの依頼に入ったのは二時間前、私たちが入ったのは一時間五十分前だよな?」 男は手元の書類を一枚めくり、 「うん、北の軍の総督から指示が入ったからね」 「しかし、あそこは今日かそこらで死んだ死体の匂いではなかった…!!あそこに魔物が出たのは一週間前、大体の戦略が出尽くし苦しい攻防になったのは3日前だ…。………………わかるよな?」 男は渋そうな顔をして 「貴族か…」 と呟く アリスは睨みつけながら 「ああ、そう。今の総督は貴族出身だから、ギルドに頼むのは恥だとか思ってるんじゃないか?…………………………………………………………そのくだらんプライドのせいで何人の救える命が亡くなったかしらないで…!!!! …………………だから貴族は嫌いなんだ」 アリスは悲しみと憎しみが入り混じったような顔をする
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