第2章 傷

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夜中。 叩きつけるような雨の音が響きわたる部屋の中で、私は目覚めた。 なんだか嫌な予感がした。 ぼーっとしていたが、小さな物音が聞こえ、意識が一気に覚醒した。 ど、泥棒!? 新八は自分の家に帰ったので、今この家にいるのは私と銀ちゃんだけだ。 押し入れをそーっと開けて確かめると、そこには動く人影がひとつ。 「だ、誰?」 声をかけると人影の肩がびくりと跳ね、こちらを振り返った。 暗くてぼんやりとしかわからないが、どうやらこの影は… 「銀ちゃん?」 そう声をかけると、銀ちゃんは苦笑いを浮かべた。 「はは、起こしちまったか」 頭をぼりぼりと掻き、「ごめんな」と謝った。 「どうしたネ?怪我、まだ治ってないから寝てなきゃダメヨ」 「実はな、依頼された仕事が残っているんだ」 「仕事?でも今日は…」 「今日じゃなきゃダメなんだ。行かせてくれ」 「な?」と言って銀ちゃんは私の頭を撫でた。 …ズルい。 私は銀ちゃんに頭を撫でられるのが好きだから、こんなふうに優しく撫でられたら何にも言えなくなる。 「早く、帰ってきてネ?」 「…ああ」 銀ちゃんは何故か悲しそうな笑顔を浮かべ、外へと出て行った。 「…ッ銀ちゃん!」 しばらくその場に立ち尽くしていたが、やっぱりあの悲しそうな笑顔が気になって、勢いよく外へと出た。 しかし… そこにはただ、雨の音だけがあるだけだった… .
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