第3章 距離

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銀さんが怪我をして帰ってから、何日か経った頃の昼下がり。 僕は万事屋に足を運んでいた。 「万事屋に行くの、久しぶりだなァ…」 もちろん、好きで休んでいたワケではない。 怪我をしていた銀さんは気になっていたけど、ちょうど姉上が風邪をこじらしてしまったのだ。 姉上は万事屋に行くように言ってくれたけど、病気の時は寂しくなるものだと思ったから、僕は姉上の傍を離れる事が出来なかった。 そういう事で、ここ数日間、万事屋に顔を出せずにいた。 「大丈夫かな、銀さん」 そう呟きながら階段を上がり、玄関を開けた。 「おはようございまーす」 ………あれ? 何故か部屋は真っ暗だった。 ふたりとも、まだ寝てるのかな? そう思って部屋の奥へ進むと… ソファーの上で膝を抱えてうずくまっている神楽ちゃんがいた。 「神楽ちゃん?」 顔を覗き込むようにして声をかけると、彼女はゆっくりと顔を上げた。 その顔は、涙に濡れていた。 「しん…ぱ…ちぃっ…」 いきなり抱きつかれ、僕は少し後ろに仰け反ってしまった。 銀さんの身に何かあったのだろうか? 僕は神楽ちゃんの頭を優しく撫でた。 「…どうしたの?」 .
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