第1章 日常

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「ん…」 鳥の鳴き声と窓から零れる日の光で目が覚めた。 隣で寝ていたはずの神楽はもうすでに起きているらしく、布団には俺がけが横たわっていた。 二度寝すっかなァ… どうせ今日も仕事ねェし。 そう思って目を閉じ、再び眠りをつこうとすると… 「…ッ!?」 やけに焦げ臭い匂いが、俺の鼻孔をくすぐった。 神楽のヤツ…なんややらかしやがったな… 俺はダルそうに身体を起こすと、台所へと向かった。 そこには案の定、神楽がいた。 「何してんの?」 俺が後ろから声をかけると、神楽の肩がびくっと震えた。 ゆっくりと振り返ったその顔には、うっすらと涙が浮かんでいる。 「ぎ…銀ちゃん…っ」 神楽はいきなり抱きついてきた。 いきなりの事で一瞬驚いたが、すぐに気を持ち直した。 神楽の頭をよしよしと撫でてやった。 神楽は嗚咽を漏らしながら、俺の胸にしがみついている。 一体何やらかしたんだ? そう思って台所を覗くと、魚の形をなんとか留めている黒い物体が、皿の上に転がっていた。 「なるほどね…」 つまり、魚を焼こうとしたら焦がしちまったんだな。 …って、あれ? 今日は俺が当番だよな? 「おい、神楽。なんでお前が朝飯作ってんだ?」 そう聞くと、涙でぐちゃぐちゃの顔を上げ、ぽつりとこう言った。 .
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