第1章 日常

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「僕、仕事探してきます」 新八はそう言って、目に薄く溜まった涙を拭い、立ち上がった。 …と同時に、俺の机の電話が鳴った。 「ったく誰だよ。今からパチンコ行こうとしてたのに」 「仕事やれよ仕事!」という新八のツッコミは完全スルーする。 いちいち相手をするのも疲れるわ。 「もしもし、万事屋ですけど」 俺は面倒くさそうに受話器をとり、対応を始めた。 数分後。 受話器を元に戻して、俺は玄関の方へ歩を進めた。 「仕事だってさ」 「本当ですか!?」 「ああ」 やけに新八は嬉しそうだ。 「それじゃ早く行きましょうよ!」 「残念だったな新八。この仕事は俺個人に頼まれた仕事だ。俺ひとりで行く」 「そんなァ…」 新八はがっくりと肩を落とした。 そんな新八を見て、俺はなだめるように彼の肩にぽんっと手を置いた。 「そんな悲しそうにすんな。仕事は俺ひとりで行くが、給料は出してやるから」 その一言に新八の顔から笑みがこぼれた。 「本当ですか!?」 「ああ。この頃ろくに給料やってなかったからな」 「…この頃どころかずっと貰ってないネ」 神楽の一言に、俺は一瞬うっと息詰まり、ごほんと咳払いをした。 .
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