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めんどくさいことになった。
俺は廃工場で、三十人の睨みと一人の頑張れ的な視線に包まれている。
確かに俺が不良の肩に当たったのは悪いと思うが、あいつが相手の頭を見た後に、相手に笑って言わなければ、こんなことにはならなかった。
「お兄さんの頭は不毛地帯だね」
これを言われて怒らない奴はいないだろう。その後なんやかんやで廃工場につれられて、三十人くらいの不良と戦う羽目になっている。
「いや、なんで俺が戦うんだよ」
俺は、後ろにいる金髪の天然パーマで青色の目をしたあいつ―鬼神戒徒[おにがみ かいと]を睨んだ。
「だって俺、サポートの方があんぜ、得意だから」
「お前、安全って言おうとしたな。それに安全だろうが無かろうが、お前が売った喧嘩だろうが」
「俺の喧嘩は鞘のせい、鞘の喧嘩は鞘のせいだよ」
「理不尽だな、おい」
俺はどこのガキ大将だよと思いながら、再び不良達の方へ身体を向けた。
「待ってくれるなんて、真面目だな」
俺がそう言うと、俺と肩がぶつかった不良が前に出てきた……出てきた?いや、まさかコイツがリーダーとか言わないよな。
「ブラックスカルのリーダーである俺に喧嘩売るなんて、度胸があるなお前」
あいつがリーダーだった。俺は金だらいが落ちてきたような微妙な衝撃を受け、もう少しで問答無用で殴るところだった。
「お前がリーダーか……お前のどこがブラックスカルなんだ」
不良グループの名前には、何かしらリーダーに関するものが付くはずだ。
「ブラックスカルの由来?それはな、俺は何時も黒いドクロが描かれているパンツ、靴下をみにつけているからだよ!」
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