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そうして、アイギスの攻撃が終わったときには意識のあるものは一人を除いていなかった。
ただ一人、不良のリーダーは倒れながらも俺を見ていた。
「ふざ……けんじゃ……ねぇ」
「……」
「覚えてろ……ガキ、が」
そう言って、不良のリーダーは気絶した。
「いつも通り倒すの早いね、鞘」
いつの間にか俺の横にいる戒徒がそう言ってきた。
「誰かのせいでな」
「大変だね。誰のせいだろう?」
「間違いなくお前のせいだ、戒徒」
「それは気のせいだよ。帰ろうよ鞘」
なんか、はぐらかさせた気がするがまぁ良いか。
「あぁ、今行く」
俺は、倒れているリーダーの胸から金属で出来ている黒いドクロのピンをとった。
俺達は廃工場から出て行った。空はもうオレンジ色に染まっていて、カラスの鳴き声が聞こえる。
そういえば、来月から高校生か、大変だな俺達。
「鞘~。先に帰っているから」
前から戒徒の声が聞こえた。ってあいつ。
「戒徒、お前鍵持ってないだろうが」
俺はすぐに戒徒を追いかけた。
面倒がかかる奴だ。でも、あいつといたら毎日が楽しくてしかたがないな。俺はそう思いながら戒徒を追いかける、また楽しい明日を迎えるために。
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