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谷と呼ばれた男は、やはり先生らしい。
さっき自分で言ってたし。
そう思って見ていたら、クラス内を見渡していた先生と目が合ってしまった。
気まずいから早く目線をそらして欲しい。
俺からそらすと、何か言われそうだ・・・・。
「あれ? 優也じゃねえか! お前退院してたのか! 」
先生は嬉しそうにそう言うと、俺の方に近付いてきた。
「よかったよかった! また楽しくしていこうぜ! 」
先生は俺の肩に腕を回して、そう言ってくる。
楽しくって言われても、俺はそんな性格じゃない。
「谷~。優也の記憶喪失忘れたのかぁ? 」
俺が困ったような顔をしているのに気付いたのか、達也が座ったままそう言う。
「そうだった! すっかり忘れてたぜ! まあ適当に頑張ろうぜ! 」
これでクラス全員に、完全にバレた・・・・。
まあ隠し通すのはまず無理だろうから、仕方ないか。
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