おやすみなさい 【2】

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夜の繁華街は、昼間とはまた違った賑やかさを見せる。 Γ男のスーツ姿ってなんかいいですよねぇ」 あ、そのネクタイ緩めてるところとか! 指をさしてキャハハ、と笑う女はだいぶ酔っているのだろうか。 高いヒールが危なっかしかった。 ふらついたのかわざとなのか、掴まれた腕を適当にあしらう。 香水のキツい匂いがぐっと入ってきて、むせそうになるのを堪えた。 数メートル先を歩く上司にも、すらりとした女がもたれるように寄り添っていた。 なんとも言えぬ気持ちで後ろからそれを眺める。 Γお、ここだここだ」 上司が立ち止まり建物を見上げる。 でかでかと店名と共にキャラクターの描かれている有名チェーン店。 ここであの男は働いているのか。 …道端で吐くぐらいだし相当キツいんやろか。 そんなの知らんとも言いたげなとぼけた顔をしているキャラクターを見上げながら、店の中へ入っていった。 .
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