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Γ藤原やっちまったのかー?」
それ漏らしたみたいだぞ?
上司が笑いながら太ももを指差す。
言われなくても冷たさはパンツにまで伝わっていて、最悪や、と小さく呟いた。
濡れてしまったジーンズは後にして、とりあえず破片を拾おうとしゃがんだ。
Γあ、大丈夫ですよ、こちらで処理しますんで」
上から降ってくる男の声。
自分かっこ悪すぎる。
構わず破片に手を伸ばそうとして、直後にばっと手を引っ込めた。
Γ……っ!!」
拾おうとしたものと別の破片で切ってしまったらしい。
まじかいな…
小指のわきを見ると、つーと手首へと血が伝っていた。
Γ血でてもーてるやん!」
顔を上げると同じ位置に男の顔があって、ちょっと驚いた。
Γいやこれくらいなら…」
反対の手で止血しようとすると、
Γあかん!ばい菌はいるて!」
その手を掴み
男はちょお行きましょ、と立ち上がった。
ぐいぐいと引っ張られ、テーブルの上にあったウェットティッシュを傷口に当てられて、そのまま連れていかれた。
つづく
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