200人が本棚に入れています
本棚に追加
うめき声と共にボタボタと液体が落ちる音がして、嘔吐しているのだとわかった。
Γっ大丈夫ですか?」
自らもしゃがみ、背中をさすってやる。
あまりにも小さいから女だと思っていたが、骨のごつごつとした感触で男だということがわかった。
しばらくさすっていると、やがてえずく声がおさまり、
はぁ、はぁ…と肩で息をしているようだった。
俺は立ち上がり、確か入っていただろうポケットティッシュをスーツから探る。
ハンカチしかない…。
昔の彼女からのプレゼント。
さして大事に持っていたわけでもなかったから、躊躇いもなく差し出した。
Γこれ、使いますか?」
声に反応し、ゆっくりと男が振り向く。
.
最初のコメントを投稿しよう!