おやすみなさい 【1】

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その男は足元から腰、胸と順に見上げ、そして目が合った。 体格からいって俺よりも年下だろうとは思っていたが、想像よりもずっと幼かった。 差し出したハンカチに目を落とすと、いいのか?というように再び俺を見上げた。 Γええよ」 ほれ、とハンカチを手に持たせた。 ぎこちなくそれを受け取ると、黙って口を拭う。 男の大きな瞳に電灯の明かりが映りこんで、濡れて光っていた。 はぁ、と一息つくと同時に、男が立ち上がった。 Γ…助かりました。ありがとうございました」 へこ、と一礼をする。 なんや、こいつも関西人か。 独特のイントネーションに懐かしさを覚える。 .
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