雪が降るとき

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「啓太、迎えにき・・・」 啓太と優斗は扉の方を見ると 「・・・ひぃっ!!」 優斗が小さく悲鳴をあげる 鷹藤が凄い形相で優斗を睨んでいた 俺は怖すぎて声もでない ごめん、優斗・・俺何も言えない・・ 「啓太、帰るぞ。」 「え、は、はいぃぃい!!」 啓太は、急いでカバンを掴んで鷹藤の所まで走る 「行くぞ。」 「・・は、はい・・」 鷹藤と啓太は並んで歩く…沈黙が重い… 「あ、あの…」 啓太が思い切って声をかける 「なんだ、啓太?」 予想外な優しい声がかえってくる 「お、屋上で、顔…た、叩いて…ご、ごめんなさい。」 「……いや、あれは俺が悪かった、ごめんな啓太。」 ええぇぇぇぇぇえええええ!? あ、謝っちゃったよ!??Acquaの総長なのに!? 周りを歩く人はチラチラと俺たちを見る 視線が痛い 周りからは不良とパシリしかみえてないんだろうな 啓太は下を向きながら歩いていたらいきなり腕を掴まれる 「…っわ」 鷹藤がいきなり耳元で 「啓太……ここから家まで一人で走れるか?」 家は確かにすぐ近くだ… 「は、はぃ…」 鷹藤の低い声が耳元で聞こえてドキドキする 「じゃあ、腕離したら走れ。」 啓太は縦に首を振る… 鷹藤は周りを慎重に見ながら啓太の腕を離す 啓太は全速力で家に向かって走った 鷹藤は啓太が行くのを見てから後ろに振り返る 「てめぇら…出てこいよ、俺に用なんだろ?」 地を這いずる様な声を出す 鷹藤は啓太との帰り道を邪魔されて苛立っていた 数人の不良が路地裏などから出てくる 「……来いよ、全員相手してやる」 数人の不良が一斉に襲い掛かる―‐……
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