予告状

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 怪盗マーキュリーが世間を騒がせ始めたのは今から三年前、ちょうど私が警視庁捜査第二課に配属された年だった。それからというもの、私は室田警部補とともにマーキュリーに関する捜査を行ってきた。マーキュリーは過去十度予告状を出し、そのうちのなんと八回が警察の警戒を突破し、犯行を成功させていた。もっとも、残る二回は室田警部補の指示の元に予告の品を守りきったのだが、そのうちの二回ともで、もっとも功が大きかったのが私と言われており、その結果、私は新人でありながらこの世間を騒がす大事件の担当刑事という地位に就いていた。
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