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怖くは、ない
生きている方が怖い。
ちらりと横を見る。
どこから生えてるのかわからない、そこには紫陽花の花があった。
「…ここなら、幸せな夢みながら…休めるよな?」
答えが返ってくるのを期待したのではない。ただ口から零れた言葉。
なのに、答えは返ってきた。
小さく小さく花のような声で
「死ぬの?」
右に人はいない、左にも左はいない。
後ろにもいない、目の前にもいるわけはない。
探したが近くに人の姿はなかった。
「…まさか…お前…か?」
もう一度俺は紫陽花の花を見つめ直した。
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