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「ぎゃああああああああ!!」
二人の悲鳴は、地上にいる弘達にも聞こえてくる。
上下左右に揺れるゴンドラに、二人は必死にしがみついていた。
しかし揺れは収まるどころか、いっそう激しさを増している。
「!!」
二人が、ほぼ同時にゴンドラから投げ出された……
鈍い音が二つ鳴った……
弘達がいる場所より、さほど離れていない場所に、二人は落ちてきた。
「お前達はじっとしていな。」
川口が、落ちた二人の確認に向かった。
しかし、他の従業員が居る為、自由に行動は出来ない。
香苗はコンクリートに頭から落ちたらしく、頭が原型を留めていなかった。
「こいつは即死。」
理恵は打ち所が良かったらしく、まだ生きているようだ。
しかし体中の至る所から出血しており、虫の息だ。
「あそこから落ちて生きているとはな。くくく……」
川口が笑い出した。
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