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「これから10分以内に、バスまで戻ってもらう。 間に合わなかった奴には死んでもらう。 全速力で走らないと間に合わない。」
「この女を連れて行ったら、まず間に合わない。 見捨てることをお勧めするよ。」
「大和、彩、先に行け。 美佳は俺が連れて行く。」
弘は迷わず美佳を連れて行くという決断を下した。
「弘、俺も協力する。」
「いや、大和は彩と一緒に行ってやれ。時間がない。もう行く。」
「弘君…… 私の事はいいから……」
弱々しい声で美佳は言う。
「今は喋るな。」
弘は美佳を軽々とおんぶすると、一目散にバスの方へ走り出した。
「決断が早いな。 どうせ死ぬのに。 一応見張りは付けさせてもらう。」
一人の従業員が弘の後について行った。
(常に監視されるって訳か……)
「彩、早く行こう。」
大和は、泣き崩れている彩を連れ、走り出した。
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