異変

13/23
前へ
/78ページ
次へ
「はあはあ……」 弘は、息が切れそうになっていた。 体力というよりは精神力の限界だった。 手足の震えが止まらない。 皆で楽しむ目的で来たはずなのに…… 突然、クラスメートと先生が殺されてしまった。 そして、殺戮を楽しんでいる狂った従業員達。 いつパニックを起こしてもおかしくない。 「がは……」 美佳が大量の血を吐き出し、弘の体に降り注がれていく。 生暖かい感触が、広範囲に伝わってくる。 「うわああああ……」 屈強な弘が、弱々しい悲鳴を上げた…… そして、その場にひざまずいてしまった。 おんぶされていた美佳が、地面にずり落ちる。 「あああ……」 もがき苦しんでいる美佳を見て、途方もない恐怖に襲われる。 完全にパニックに陥っていた。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1567人が本棚に入れています
本棚に追加