異変

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《バス車内 聖斗・健一》 弘達がバスを出てからさらに30分が経過し、時刻は9時になっていた。 誰の電話にかけても、電源が切れているか、電波の届かない所にいるとアナウンスが流れてくる。 弘達が戻ってくる気配は無い。 「どうしたんだろう……」 「なんで電源切ってるの……?」 「早く帰りたいよ~」 皆の不安が募ってきた。 「さすがにおかしいな…… 男子で手分けして探さないか?」 早見が提案した。 「そうだな。連絡を取り合いながら探そう。」 俺は賛成した。 「よし、じゃあ必ず二人以上で行動しよう。 しかし、なんで連絡がとれないんだ……?」 「ん~、この中に誕生日の奴はいないのか? 実は弘達と先生でサプライズでパーティーの準備してるとかさ。」 健一は楽観的な考えだ。 「ん? なんだあいつら?」 健一が何かに気づいた。 「どうした?」 「あれ見ろよ。」 健一が指差した方向から、テーマパークの従業員が10人程、こちらのバスに向かってくる。
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